ノンアルコールの除菌グッズはアルコールタイプに勝るとも劣らない効果があった

除菌グッズといえばアルコールの成分が含まれているという印象があります。子どもの頃、インフルエンザの予防接種などで注射をされる直前に、袖をまくられてアルコール綿で消毒された記憶が誰にでもあると思います。

このような体験も相まって、一般的にバイ菌を取り除くにはアルコールが最適というイメージが定着しているのではないでしょうか?中にはノンアルコールの除菌商品はアルコール成分の商品に比べて効果が弱いと考えている方もいるようですが実際はどうなのでしょうか?

ノンアルコール除菌の実力

ノンアルコールの除菌グッズには、「アルコール不使用なのにバイ菌をしっかり除菌」とか「ノンアルなのに強力にバイ菌を除去」などと表示されている商品も少なくありません。

これはアルコールが含まれてない商品はバイ菌を除去する効果が弱いと考えている消費者に向けてのアピールだと考えられます。ではアルコールが含まれていないタイプの商品はアルコール成分が含まれている商品に比べてバイ菌を取り除く効果が弱いのでしょうか?

アルコールが含まれてない商品にはアルコールの代わりになる、バイ菌を除去する成分が含まれています。アルコール成分がバイ菌を取り除く力よりも、さらに強力にバイ菌を除去する成分もあります。

アルコールの代わりにバイ菌を除去する効果が高い成分として、塩化セチルピリジニウム、次亜塩素酸ナトリウム、塩化ジメチルメジチルアンモニウム、塩化セチルピリジニウム(CPC)などがあります。

この他にも、アルコール成分を含んだものより殺菌力が強く取り扱いに注意が必要な成分があります。「アルコール不使用でからだにやさしい」と謳われている商品も数多く市販されていますが、アルコール不使用だからといって人体にやさしいとは限りません。

例えば、次亜塩素酸ナトリウムなどは、pHの値によっては皮膚に触れただけで人体に害をおよぼすものもあります。一般的には弱酸性に調整された人体やペットにも害をおよぼさない除菌消臭水として売られていますが、ノンアルコールタイプの商品を使用する際は、説明書きをよく読んで成分と人体への影響を確認することが必要です。

アルコール成分を含んでなくても、アルコール成分を使用した商品に比べてバイ菌を除去する効果が劣るということはありません。
平成28年に埼玉県の消費生活センターが行った「除菌ウエットティッシュの商品比較テスト」の結果を見ると、バイ菌を除去する成分の能力よりも、拭き取りの回数を重ねることで細菌数が減少するという結果が出ています。

このテストで比較したのは、アルコールを使用したタイプの除菌ウエットティッシュ、ノンアルコールタイプの除菌ウエットティッシュ、除菌表示されてないウエットティッシュ、水道水をティッシュペーパーに含ませたものの4種類です。このテストで比較したすべての対象商品が、拭き取りを3回重ねることによって大部分の細菌が除去されたと報告されています。

ノンアルコール除菌のデメリット

アルコール不使用の商品にはアルコール成分であるエタノールの代わりとなる殺菌剤や抗菌剤、防腐剤の成分が含まれています。そのため消費者自身が、商品に含まれている成分から人体への影響を判断しにくいことがデメリットであるといえます。

バイ菌を除去するためにどのような成分が含まれているのか、商品の説明書をよく読んでその成分の性質をよく理解する必要があります。

バイ菌を除去する効果が高ければ高いほど人体に悪い影響をおよぼすことが懸念されます。皮膚への刺激やアレルギーのためにアルコール成分を避けてアルコール不使用の商品を選んだとしても、殺菌力や抗菌力が強いものには特に注意が必要です。

アルコール成分による皮膚の刺激を避けたはずなのに、アルコール不使用の商品に含まれていた成分がエタノールなどのアルコール成分以上に強い刺激を与えたり、アレルギーの原因になったりする場合があるのです。

ノンアルコールタイプの商品はアルコール成分が含まれている商品に比べて防腐剤に利用されている成分が多く含まれている場合があります。

防腐剤の成分が多く含まれていると、人体には影響がない濃度で使用しているので安全なものですといわれても、使用するのを避けてしまう方もいるでしょう。

刺激が強いという理由でアルコール成分のエタノールを使用した商品を避けている消費者は、アルコール不使用の商品を利用する場合のリスクも十分考えなければなりません。

ノンアルコールタイプの商品はアルコールタイプの商品に比べて使用されている成分が多数含まれている傾向があります。商品選びの際に成分を理解してから購入することは、一般の消費者にとって非常に困難です。

これを見ているあなたも、成分を理解することなくパッケージに記載されたキャッチコピーや商品名のイメージでや雰囲気で、なんとなく購入していませんか?

ノンアルコールの除菌グッズを選ぶ際は、ドラッグストアなどで薬剤師や登録販売者に使用用途や目的を伝えて商品の説明を受けてから購入するとよいでしょう。

ノンアルコールタイプのデメリットとして、バイ菌を除去するための成分の種類が多いため商品選びが困難だとお伝えしてきました。さらにもう一点、アルコールタイプの商品に比べて価格が高いということもデメリットとして付け加えておきます。

ノンアルコール除菌のメリット

ノンアルコールタイプの除菌グッズは、人体に使用するときに大きなメリットを感じることができます。ただしそれには、人体に使用することに適しているアルコール不使用の商品を選ぶことが必要な条件です。

赤ちゃんや子ども、女性の敏感肌にも、アルコール成分のエタノールが含まれている商品のような肌への刺激やアルコール臭がないので安心して使えます。

特に皮膚が弱い方で、アルコールタイプの商品を使用するとかぶれたり炎症になったりする場合でも、肌にやさしい成分で構成されたノンアルコールの商品を選ぶことによって不安なく使うことができるようになります。

アルコールタイプはすぐに揮発してしまうので、手肌に使用すると肌の潤いが奪われて乾燥し、カサカサになったりかゆみが出たりしてしまいます。

アルコール成分を含んだ揮発性の高い商品は肌の水分を奪ってしまうので、保湿が気になる女性には使いにくい商品でした。しかし、ノンアルコールタイプの低刺激の商品を使用することによって顔やからだのケアにも安心して使うことができます。

このように、ノンアルコールタイプの除菌成分を使用することで、赤ちゃんのお尻ふきや小さなお子さんの口まわり、アルコール成分の使用を避けたいペット、保湿が大切な女性の肌に使用できる商品が数多く開発され消費者の選択肢が広がっています。

まとめ

除菌グッズといえばアルコール成分のエタノールを使用したものがノンアルコールタイプの商品に比べて価格も安くて商品の数が多いのが現状です。

しかし、肌質を問わずに子どもから大人の顔やからだ、さらに人間だけでなくペットにも使用できる安全なノンアルコールタイプの商品の普及が高まることによって商品の価格も下がってくるでしょう。

今後は、ノンアルコールタイプの除菌グッズの安全性と使いやすさが消費者に理解されて商品の価格が下がってきたら、アルコールタイプの除菌グッズと立場が逆転するかもしれません。